”潮流って?”
 潮流とは、潮汐に伴う海水の周期的な流れを言います。
潮流は大洋の中では微弱ですが、湾口部・海峡部などでは強くなることが多いです。
潮流の流向は風向を表すのとは逆で、流れていく方向で表します。
つまり風の場合ですと、「北風が吹く」というは「北から風が吹く」ということで、吹いてくる方向で表されますが、潮流の場合ですと、東から西に流れる場合は「西流」、北から南に流れる場合は「南流」と呼びます。

  一般的に潮流は、概ね一日二回ある潮汐により流れが変化することから、海流と違い、海水が潮汐により行ったり来たりしているだけで、海水は元の位置に戻ってくるのが普通です。
 例えば東京湾の場合ですと、満潮になってくると潮位が上がる、つまり東京湾内に海水が入ってきますので、流向は「北流」となり、干潮と満潮との中間位が最強流で、次第に流速を減じ、満潮になると流れが停止します。
この状態を憩流(Slack water)と言います。

 次いで逆の方向(南流)に流れ始め、流速を増して最強流に達した後、干潮に近づくにつれ流速を減少して再び憩流となり、これを周期的に繰り返します。
なお、憩流を転流とも言うほか、上げ潮(満潮)中に流速が最強となる方向の潮流を上げ潮流と言い、下げ潮(干潮)中に流速が最強となる方向の潮流を下げ潮流と言います。

 ちなみに東京湾の潮流は、基本的には時計回りで、更に東京湾にも表層と下層の流れがあり、下層は外洋の海水が東京湾内に流入し、表層から湾外に流出しているようです。

  ところで皆さん、サイパンで潮流を体感できるポイントはどこだと思いますか?
 潮流とは「潮汐」による海水の流れと説明したとおり、潮位の高いところから潮位の低いところに流れる現象で、それも大きな湾(東京湾や有明海)の湾口部や瀬戸内海の各海峡部(明石海峡や鳴門海峡、備讃瀬戸、来島海峡、関門海峡)、もう少し大きいところでは、日本海の各海峡部(津軽海峡や対馬海峡)に顕著に見られます。(流速等については、「第4話」を参照してください。)

  サイパンでは海水の流れを体感できるところといいますと「イーグルレイシティ」ですよね。
しかしサイパン島西側のインリーフでは、この潮汐による海水の流れつまり潮流は体感できるほどの速さにはなりません。

 イーグルレイシティでの海水の流れの原動力は「北風」です。
そして北風だけではなく満潮という条件も必要です。
満潮になるとリーフの海水からの高さが低くなり、そこに北風がビュービュー吹いてくると、海水がインリーフ内にガンガン入ってきて、その海水はイーグルレイシティ付近を通過してマニャガハ島の南から再び外洋に抜けていくのです。

そー考えると夏場でも、北風が連吹すればイーグルレイが見られる、かもしれませんよネ〜。

サイパンでダイビング
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